この記事は「【緊急】プロテイン高騰に関するご報告」を要約したものとなります。
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プロテインの値上げが続いている。なぜこんなことになっているのか、その構造を、できるだけ正直にお話ししたいと思う。これは特定のメーカーの都合ではない。世界中で起きている、構造的な事情だ。そして最後に、私たちBAZOOKA NUTRITIONが値上げに踏み切った理由もお伝えする。
なぜ今、どのメーカーも一斉に値上げしているのか
プロテインの粉を、日本国内で作ることはできない。
これを最初に押さえてほしい。ホエイプロテインの原料となる乳清は、大量の生乳を扱える国でしか製造できない。アメリカ、ニュージーランド、ヨーロッパなど、生産できる国は世界でも限られている。その少ない供給を、世界中が買い集める構造になっている。
少ない供給を、多くの需要が奪い合う。
経済の基本だが、これが今のプロテイン市場で起きていることだ。日本国内の各メーカーが一斉に値上げしているのは、それぞれの経営判断ではなく、同じ上流コストを全員が受けているからにすぎない。
業界統計によれば、ホエイの輸入単価は5年で約3倍に跳ね上がっている(2019年ごろの1kgあたり700〜800円台から、近年は2,000円超へ)。この価格帯に合わせながら製品を作り続けるには、どこかで消費者価格に転嫁せざるを得ない。各社が仕入れコストの限界を迎えているのが現状だ。
「痩せ薬ブーム」が、なぜプロテインを高くするのか
「痩せ薬ブーム」が、プロテイン価格を動かしている。
マンジャロ(チルゼパチド)という薬をご存じだろうか。もともと糖尿病治療薬だったが、肥満症への適用が拡大されてアメリカで爆発的に普及した。消化管ホルモンに二重で働きかける仕組みで、臨床試験ではGLP-1受容体作動薬を上回る体重減少効果が確認されている。その結果が話題になり、世界中で使用者が急増している。
ただ、この薬には大きな問題がある。
体脂肪だけが落ちるのではない。筋肉もかなり失われてしまう。健康を害しますよと。それを失わないためにプロテインを使うということが、今アメリカを中心に起こっているらしいんですよ。それで世界中からプロテインを買うという、この争いが熾烈になっている。
そこに円安が重なる。これ大変なんですよ。
ドル建てで仕入れた原料を円で支払う。為替が不利に動くたびに、同じ量の原料でも支払う金額は増える。原料の高騰と円安、この二重構造がずっと止まらない。日本市場には特に重くのしかかっている。
プロテインの「袋」はなぜ、中東情勢で値上がりするのか
ホルムズ海峡という地名を、ニュースで耳にしたことがあるだろうか。
めちゃくちゃ狭い海峡なんですよ、あそこは。ここが、あなたのプロテインと繋がっている。
日本に輸入される原油の約9割が、この海峡を通過する。中東情勢が不安定になると、供給への懸念が広がり価格が動く。現物の供給が途絶えなくても、不安が「織り込まれる」だけで市場価格は上昇する。
原油が高騰すると、打撃は3方向から来る。物流費、エネルギーコスト、そして素材コストだ。
ガソリンの価格が上がれば、海上輸送でも国内のトラック輸送でも、運送コストは必ず上がる。プロテインは海を渡って運ばれ、港から工場へ、工場から倉庫へ、倉庫から家まで——何度も「運ぶ」を経る。そのたびにコストが乗る。
工場を動かすには電気がいる。火力発電は原油や天然ガスを燃料にしているから、原油高は電気代にも直撃する。
さらに厄介なのが、素材コストだ。原油から精製されるナフサは、プラスチックや樹脂の原料になる。プロテインの袋。スプーン。ジップロック。外装フィルム。プロテイン製品を囲む「容れ物」の多くが、ナフサ由来の素材でできている。中身の原料価格だけではない。容れ物のコストまで、多重に乗っていく。それがプロテイン価格の現実だ。
私たちが値上げに踏み切った理由
ここまでは業界全体の話をしてきた。最後に、私たちBAZOOKA NUTRITIONの話をさせてほしい。
本当はこれまでの価格通り維持したかった。私たちも努力をして耐えてきた。でも、もうここがいよいよ限界で、皆さんにご購入いただく価格に載せないと企業として成り立たないという状況になった。
公式ストアをご利用いただいている皆さんとは、ずっと繋がりがある。だからこそ、正直に伝えたかった。
値上げの選択肢は2つある。品質を落として価格を維持するか、品質を守って価格に反映するか。
私たちは後者を選んだ。天然甘味料、食用植物油脂や二酸化ケイ素を使わない設計、グラスフェッド原料——こういう「入れない選択」「こだわる選択」を、コスト圧力の中で捨てることはしたくなかった。
それと、もうひとつ。プロテインのスプーンって毎回つける必要があるのかなと、最近思うんですよ。初めて買う人のために入れるのは当然だけど、2回目以降も毎回ついてくる。家にいっぱいあるでしょ、スプーン。捨てるのもちょっともったいないしな、でも結局使わない。こういう機会に日頃の物の使い方っていうのは、よく考えた方がいいなって思う。作る側も使う側も、本当に必要なものは何かを見直すタイミングなのかもしれない。
世界って本当に繋がっている。国際政治は我々の日常とは関係ないように見えて、間接的に確実に生活に届いてくる。ホルムズ海峡が閉鎖されて、まさかプロテインまで影響を受けるとは——これが、世界がひとつにつながっているということの現実だ。
高くなったのは確かだ。それでも、なぜそうなっているかを知っておくことが、ただの「困る話」で終わらせないための最初の一歩だ。私たちはこれからも、正直にお伝えし続ける。